遺品整理をする際、不要となったタンスやテーブル、冷蔵庫などの大型家具・家電の処分に困る方も多いのではないでしょうか。
不用品の処理・処分は遺品整理業者に任せられますが、廃棄物の運搬には許可が必要です。「廃棄物処理法」という法律に定められており、許可を得ていない遺品整理業者が遺品を運搬することはできません。
しかし、実際は無許可で回収する違法業者も存在するため、遺品整理業者を選ぶ際は注意しなければなりません。
この記事では、遺品整理にも大きく関わる「廃棄物処理法」についてご説明するとともに、無許可の遺品整理業者を選んではいけない理由や違反業者の見分け方を解説していきます。
遺品整理に関わる「廃棄物処理法」について
廃棄物処理法とは、昭和45年に公布された環境省所管の法律です。
正式名称は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」といいますが、「廃棄物処理法」と略して記載されるのが一般的です。
廃棄物処理法には、廃物物の定義や処理方法、処理責任の所在、処理業の運営基準などが明記されています。
廃棄物には「一般廃棄物」と「産業廃棄物」があり、一般家庭から出る廃棄物は一般廃棄物と定義されます。
よって、家庭内の遺品整理で処分の対象となった家具・家電などの不用品は、一般廃棄物に該当することになります。
遺品整理業者が廃棄物を運搬するには許可が必要
遺品整理の不用品を運搬するには、市区町村が交付する一般廃棄物収集運搬業の許可を取得しなければなりません。
廃棄物処理法によって定められているため、許可を取得していない遺品整理業者が廃棄物を運搬した場合、廃棄物処理法違反で罰則が科せられます。
廃棄物処理法に違反した場合
一般廃棄物収集運搬業の許可を得ずに遺品を運搬した遺品整理会社には、廃棄物処理法違反として
【5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはこの併科】
が科せられます。
違反した遺品整理業者に科せられる罰則とはいえ、利用者側も違反業者を選ばないよう気をつけなければなりません。
廃棄物処理法違反の遺品整理業者は選ばないように注意!
遺品整理業者に不用品の運搬・処理を依頼する場合、一般廃棄物収集運搬業の許可を得て適正に運営している遺品整理業者を選ぶ必要があります。
これは遺品整理業に限ったことではなく、廃棄物を回収する業者は必ず許可を得たうえで運営しなければなりません。
ここでは、廃棄物処理法違反の遺品整理業者を選んではいけない理由と、違反業者を見分ける方法をご紹介します。
廃棄物処理法違反の遺品整理業者を選んではいけない理由
許可を受けずに一般廃棄物の収集・運搬を行った業者は、廃棄物処理法に違反します。このような違反業者を選んではいけない理由は以下のとおりです。
- 廃棄物処理法を遵守した適正な処理が確認できないため
- 無許可の回収業者によって回収された廃棄物が不法投棄されているため
- 環境対策を行わずに不適正な処理を行うと、環境被害をもたらす可能性があるため
- 廃家電には発火・延焼の危険性があり、不適正な管理によって火災が発生する可能性があるため
参考:環境省『「無許可」の回収業者を利用しないでください!』
廃棄物処理法違反の遺品整理業者を見分けるには
遺品整理の運搬や処理を業者に依頼する場合、廃棄物処理法を遵守し適正な運営を行う業者を選びたいものです。
しかし、中には正式な許可を得ずに運営する業者も存在します。
環境省のパンフレットでは、違反業者の見分け方として以下の点に注意することが明記されています。
- 街中を大音量で巡回している
- 空き地で回収している
- チラシを配布している
- インターネットで広告を出している
※あくまで一例であり、このような業者すべてが廃棄物処理法に違反しているとは限りません。
まとめ
家庭の遺品整理で出た不用品を回収・運搬するには、一般廃棄物収集運搬業の許可を市区町村から取得する必要があります。
無許可で運営した業者は廃棄物処理法違反となり、厳しい罰則が科せられます。
無許可の業者を利用してしまうと、不法投棄や不適正処理が行われる可能性があります。
故人の大切な遺品が不適当な扱いを受けないように、法令を遵守した適正な運営を行う遺品整理業者を選ぶよう心がけましょう。
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