故人の生活用品や思い出の品を片付ける作業を「遺品整理」といいます。核家族化や高齢化が進む日本において、遺品整理の需要は今後ますます高まっていくといわれています。
遺品整理には民間資格があり、資格を取得すると「遺品整理士」として仕事を行うことができます。遺品整理をするにあたり必ずしも資格が必要とは限りませんが、遺品の取り扱いや法規制などの知識を正しく身につけることで、依頼主からの信頼を得られるでしょう。
この記事では、遺品整理の資格である「遺品整理士」を取得するまでの流れや資格取得のメリット、遺品整理士の仕事内容についてご紹介します。
遺品整理の資格「遺品整理士」とはどんな資格?
遺品整理士とは、遺品整理に関わる民間資格のひとつであり、一般社団法人 遺品整理士認定協会によって認定されます。
遺品整理士認定協会には、平成31年時点で25,000人を超える会員、1,000社を超える法人会員が在籍しています。
遺品整理士認定協会が設立された目的は、遺品整理業界の健全な育成をはかるためです。
遺品整理士の資格を取得するための養成講座や認定試験を実施し、遺品整理に関する正確な知識を身に付けさせ、遺品整理業のモラル低下を防ぐことを目指しています。
遺品整理士資格を取得するまでの流れ
遺品整理士資格の取得は、以下の流れで進んでいきます。
なお、遺品整理士の申込資格は特になく、資格取得を希望する人なら誰でも申し込めます。
- 遺品整理士認定協会へ電話またはホームページから資格の申し込みを行う
- 遺品整理士認定協会から教本・資料集・問題集などの教材セットが届く
- 課題レポートを作成し、ホームページまたは郵送で提出する(期間は2ヶ月が目安)
- 2ヶ月ほどで合否結果が届く、合格の場合は認定手続きを行う
- 遺品整理士資格の認定証書が発行される
資格取得後は、ご遺族からの依頼で遺品整理を代行したり、遺品整理に関する正しい情報を世の中に広めたりと、遺品整理業界での活躍が期待されます。
遺品整理士資格の取得にかかる費用
遺品整理士資格を取得するには、以下の費用が必要です。
入会金 | 25,000円 |
会費(資格認定手続きを含む) | 7,000円(2年間有効) |
遺品整理士認定協会に入会金を支払うと、遺品整理のノウハウが詰め込まれたテキスト一式が無償で送付されます。
なお、テキストには協会の秘密情報も含まれるため、退会時は自分で廃棄する必要があります。
遺品整理士資格を取得するメリットとは
遺品整理士資格を取得すると、遺品整理の専門家として依頼主からの信頼を得られます。
現状、遺品整理業に関する法律は整備されておらず、資格を持っていなくても遺品整理の仕事をすることは可能です。
しかし、遺品整理業者の中には不当な金額を請求したり、法規制に則った遺品の廃棄をしなかったりといった業者が少なからず存在します。
遺品整理士の資格を持っているということは、遺品整理に必要な専門知識を学んでいるという証になります。
遺品整理の依頼主にとっては、資格を有する業者の方が安心して依頼できるでしょう。
遺品整理士の仕事内容
遺品整理士が行う仕事には、主に以下のようなものがあります。
- 遺品の仕分け
- 不用品の回収、廃棄
- 遺品整理後の清掃
- 遺品の供養
遺品整理士が行う遺品整理とは、単なる不用品の片付けや回収ではありません。
遺品のひとつ一つに故人の思い出がつまっているため、遺品整理士は供養の心を持ってひとつずつ丁寧に仕分けていく必要があります。
また、不用品の廃棄は法規制に則って適切に行わなければなりません。
資格を持つ遺品整理士として、常に正しい知識で遺品整理作業を進めていくことが求められます。
まとめ
遺品整理士とは、一般社団法人 遺品整理士認定協会が認定する遺品整理に関わる民間資格のひとつです。
遺品整理士認定協会に入会すると養成講座のテキストが送付されるため、2ヶ月を目安に課題レポートを作成、協会へ提出します。
合格すれば資格認定証書が発行され、晴れて「遺品整理士」となります。
遺品整理士資格は、遺品整理に関する知識を身に付けていることを証明するものです。
今後、ますます需要が増えていく遺品整理業界において、遺品整理士の資格を取得しておくことは非常に有効といえます。
資格を持った遺品整理のプロとして、依頼主からの信頼を得ることができるからです。
遺品整理業を始めたい方や遺品整理の仕事に興味を持っている方は、遺品整理士資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。
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